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木造超高断熱 木下建工新本社 基礎工事の様子2020.06.30

木造超高断熱の木下建工新本社。
現場は基礎工事を終え今週より木工事が始まっています。




写真は先月中ごろ、基礎鉄筋を組んだ様子。構造設計事務所指定の太い鉄筋がダブルで組まれており、迫力があります。




先月から今月初めにコンクリート打設を行い、養生してきました。写真はスラブ打設の様子。いい天気で気温も高すぎず低すぎずコンクリうち日和。
この大きさということもあり2度打ちしました。打継にあたっては、止水板に加え橋梁等コンクリート構造物の補修で木下建工としてはおなじみのケイ酸塩系表面含浸材で処理。

良く水洗いしたあと、コンクリート表面の打継目に沿ってけい酸塩系表面含浸材を塗布。打継界面の微細空隙を充填し、打継目からの水および各種劣化因子の侵入を抑制します。
費用はかかるので一般住宅には難しいと思いますが、全国でみても多い実績数を自社でしており、ロングライフを目標とするオフィスなので実施しました。過酷な条件のインフラ長寿命化分野で、数値に表せる実績を残している工法です。




脱枠した基礎。スラブ~フロア高さは800㎜あります。オフィスなので床下にはハーネス配線の電源、Cat. 6 のLANケーブルに加え、今回は第一種熱交換換気システム Focus200 と、第三種デマンド換気システム HealthBox 3.0 のダクトが入ります。高ければ高いほどメンテ等しやすい面、コストは上がる。コスト削減の中で木下建工がロングライフのオフィスとして考える最低限の高さになっています。




おそらく日本初になる今回のハイブリッドな換気システム構成は、皆さん興味津々なご様子なので秋に向けて新住協等の勉強会をする予定です。住宅利用についてはよほどの大きなでなければFocus200 だけでいいと思いますし、ビルなど大きな建物用には大型の熱交換換気が各社より出ていますが、HealthBox 3.0 のCO2, VOCセンサーからワイヤレス(うれしい)で本体側のフラップを制御するところなど設計志向がくるべき未来を示唆しており、面白いポイントだと思います。

他にも電気では太陽光19.2kWを3系統にし、2系統は一般分電盤(各回路計測付き)、1系統はV2H非常用供給電源で普段は何も意識せず使用でき、商用電源停電時は高価な蓄電池で全負荷を救うのではなく、簡単な操作で最低限のNW、PC等災害即応機能のみ縮退運転させる仕組みは面白いです。

一部特注はありますが基本民生品を用い、一般家庭でも十分購入できる費用で組んでおり、今回の構成は世界初(当社調べ)になります。

何より敷地と用途を読み解き、長い年月で陳腐化しない建築、新しいオフィスのありかたを皆さんに見て頂きたいと思っています。

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上と1枚目の写真、積まれている青い断熱材が気になりますね。

当初はスラブ下敷き込みで断熱ラインは完全に外側でXPS100mm の断熱計画でした。
設計終盤に社内より施工性と安全性から断熱ラインを内側にしたいという意見があり、議論がありました。
過去には土木部門がXPSに近い部材を道路の盛土部分に使用して、災害復旧工事をしている木下建工でそうした意見が出たことは驚きでしたが、この建物はオフィスなので基本的に人がいるのは平日の日中時間帯だけです。蓄熱容量を増加することよりも社内での議論を尊重しました。

結果として今回は外気に多く接する外周部分は型枠同時打込みで外側100mm+内側50㎜補強、スラブ部分は内側100㎜の断熱構成になっています。この構成が24時間365日温熱環境安定のメリットを受ける住宅工事でも常に正しいと考えているわけではなく、あくまで今回の社屋ではという意味です。

上の図で濃い青と薄い青、どちらもポリスチレンフォーム断熱材3種bAですが、基礎立上り部断熱材は製造時に防蟻剤を混入することで防蟻性能を付与したものです。単価的にはかなり高くなるので立ち上がり部も基礎内側断熱とする案も出ましたが、佐久は外周面の温度差が非常に激しくなる。各種金物類が熱橋となるのを防ぐ意味もありこういった構成にしました。




雨続きでなかなか内側の断熱材が貼れない日々、天気予報に裏切られること何度か。
先に確実に晴れるタイミングを見計らって建方をやり、後から貼っていく変則的な工程に変更せざるを得ませんでした。

新本社横で復活させている田んぼは、順調に育ってきました。数年前から休耕地だった場所が深い青空に緑、佐久らしい景色になりつつありうれしいです。


 

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