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業務車両の紹介17 ジムニー JB23 林道スペシャル2020.06.09

近年は橋梁、トンネル、水路等コンクリート構造物やRC建築物の耐震補強など、特殊工事の専門企業というイメージの木下建工。

実は法人化前の会社のはじまりは災害応急のため長野県の要請をうけたことからで、いまでも地域防災の担い手として昨年の台風19号応急工事や林業土木工事など地域の減災インフラを手掛けています。また公官庁や自治体と災害協定を締結し、地域で自衛隊より早い、即応できる体制を常に念頭に置いています。

令和元年台風19号で塞がった林道(撮影:木下建工)


さて先日社内で林道の現調や災害時の一次対応では、所有のアウトバック、フォレスター、インプレッサ等では入れない現場が結構あるという話になりました。
そこで導入したのは、「業務車両の紹介」第17弾にして初めての中古車 スズキ ジムニーです。




上記要件で車両が必要となり走破性とサイズからジムニーに当たりをつけ調べたところ、先代のモデルは「JB23」と呼ばれ20年もの長いモデルライフの中で1~10型までマイナーチェンジの歴史がありました。
細かな違いはいろいろありますが、わかりやすい点として1~3型までがボンネットとグリル一体型で4型以降が分離型になっています。

ボンネットグリル一体型のジムニー(出典:スズキWebサイト)


また5型でMT、ATともギア比が変更され、さらに4Lギア比が2.145 から 2.643へ変更されています。そこでお付き合いのある車屋さんに声をかけ、5型以降で探し出てきたのがジムニーJB23 9型のAT車。特別仕様車のX-Adventureというモデルだそうです。

個人的にはメッキより樹脂、素の業務用グレードを5MTで乗りたいところですが、出てきた車が距離は走っているものの、非常に良い程度だったので良しとしました。ルーフキャリアやスキッドプレートなど、業務用に改造しようと思っていたパーツが予め付いていたのも嬉しいポイント。




まさに福野ファンは諳んじて言える中古車選び必須7か条その1 中古車は『車種より程度』と心せよ に他なりません。そんな福野さんも308をネットで見つけた際には程度より車種を優先して現物見ず通販したのには驚きましたが。懐かしいですね。



エアコンはガン効きだしシートヒータまでついてる!


ミッションクリティカルな現場で使うため、機関系をきちんと整備して3年間距離無制限保証に加入。油脂類、プラグ、バッテリー等交換して納車後、足回り等を交換し、林道現場仕様に仕上げました。

この程度の現場はまだ序の口(改造前)


前面には作業灯。災害現場など、ライトフォグランプ以上に明るく照らしたい場面がよくあります。もちろん走行時は使用禁止。






作業灯のハーネスはモノタロウでカシムラのリレー付配線キットを購入。ハーネス、リレーとも作りが良く信頼感があります。ネットで検索上位に出てくる良くわからないメーカーのものと違い、レビューに嘘がなく価格もそう変わらないのでカシムラ指名買いがお勧めです。




足回りは用途の本質である走行エリアの特性を考慮し予算を割きました。
まずは名門MONSTER SPORTのハイトアップスプリングをインストール。バネレートはF:2.6kg/mm、R:2.4kg/mmで、純正のF:1.9kg/mm、R:2.33kg/mmと比べフロントが高くなっています。納車後後述のタイヤだけ履かせしばらく走り考えた結果、ショックアブソーバーはスズキ純正の新品に交換。このスプリングはノーマルショックアブソーバーとの併用を前提に開発されているので相性がいいです。

今回はオフロードに重点を置いているとはいえ、そこに至るまでのオンロードも安全に走りたい。不整地のためだけを極論すれば、私たちのような業種ではクローラー履かせます(笑)




ジムニーは足回りだけでも様々なパーツが選べますが、調べる過程で見つけた完全ノーマルの動画。吊るしでこの走破性とは恐るべしです。




さて、今回の用途ではいざというときのM/Tタイヤが必須となります。そこでヨコハマジオランダーM/T G003 185/85/R16を選定。標準は175/80/R16なので外径変わってますがバネと合わせて±4cm以内です。

購入時には新しいブリザックがついていた!ので冬用に残し、ホイールは低廉な価格で出回っているJB64の純正新車外し品をアフターマーケットで調達してコストを抑えました。タイヤはもちろん新品です。

妄想ではブロンズのTE37にハイトの高いマッドタイヤでしたが、ホイール価格を見てすぐ打ち砕かれました...この新車外しホイールはENKEI製!コストとメーカー納入純正の品質を考えると、業務車両で他の選択肢は難しい。




リアに回りスコップ&タイヤカバー。プロユースならやはりスペアタイヤは雨風、紫外線から保護したいところ。スコップはタイヤカバーをつけても装着できるものにしました。かっこいいマッドタイヤを見せるためか、JAOS製のスペアタイヤブラケットがあらかじめついていたので隠すのが勿体ないですが、あくまで仕事ですので...





この車両は今後も現場での必要に応じて手を入れていく予定です。心配なのが野生動物の飛び出し。過去に鹿などで何回か廃車になっているので、グリルガードやパイプバンパーも一瞬考えましたが、歩行者安全性を考慮し止めています。

リアの牽引フックはMONSTAR SPORT製を取付予定。災害時など救助するのに活躍しそうですが、車体が中古にしてはとてもきれいで加工する必要があるのでまだつけていません。4Lに入れ慎重に曳き、すごいとか助かったと感謝される光景を想像していますが、バンパーを切るのがちょっともったいない。




木下建工では基本的に車両は点検等含め選定以降全てアウトソーシングするため、新車をオペレーショナルリースしています。
このたびジムニーを手配するため現行JB64の納期を確認したところ、なんと1年半かかるとのこと。しかもCOVID-19の影響でもっと先になるかもしれないと言われジムニーの人気ってすごいなと痛感したところです。

ただ私は今回限られた予算を考えてJB23を選び林道スペシャルを仕立てたら、かなりの愛着が湧いてきました。仕事でなければこのまま外装もライトネイビーのマット塗装、樹脂部分はマットブラックで鉄チンホイールなどにしたいところですが、そんなことをしてもコストも削減できないし利益も出ないので決裁が下りるはずもありません...

自分用にも1台欲しくなってきました、恐ろしや...



 

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