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【スタッフから】テレワークを導入して感じた利点と課題2020.05.15

5月14日に39県で解除された新型コロナウイルスの緊急事態宣言。
第2波に注意しながら今後の改善のため、これまでの対応を振り返っています。

今回の事態、BCPのリスクシナリオにはなかった会社も多いのではないでしょうか。
木下建工も、災害発生時に応急する関係上、地震、台風、大雪等天災は事前に想定していますが、今回のような感染症は初めての対応でした。
手探りながら2月下旬から社内では全体会議の中止、出張の原則禁止、現場へのアルコール消毒配備を進め、3月末から訪問自粛のお願いをしテレワークの試行をしていました。

【重要】新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る訪問自粛のお願い




その後発令された緊急事態宣言。会社としては感染リスクを下げるため以下のように業務を行うこととしました。
 現場 :災害復旧、インフラ長寿命化工事の社会的性質上続行。施工計画中、完了後の技術者は本人の判断によりテレワーク。
 総務部:出社交代制+テレワークにより給与および外注先への支払、各種手続等に支障の無いよう運用。
 営業部:出社交代制+テレワークにより見積積算、入札等受注獲得と顧客対応に支障の無いよう運用。


さてそういったなかで新聞のインタビューを受けたり、自治体や建設業のお客様からテレワークについて実際のところどうなのと質問を受けています。
特に社内で囲い込む内容でもないですし、今後の社会に役立ててもらえればと思い社員の感じた利点と課題をまとめてみました。

前提
全社でMicrosoft 365 (旧称 Office 365) 導入済、勤怠はKing of timeによりクラウド化済み。
技術者は普段使っているラップトップPC、外付モニター、必要があればWi-fiルータを貸出しテレワーク実施。現場事務所同様、リモートデスクトップや社内LAN接続はせずSharepointでファイル共有。
事務職はデスクトップが大半なため、急遽ラップトップを貸出しリモートデスクトップで対応。必要があればWi-fiルータを貸出し。普段ラックトップで仕事をしている事務職はVPNで社内LAN接続対応。(Cisco Meraki)テレワーク期間はTeamsにより情報共有。


全般
・PCを使った仕事は家で十分できるなと感じた。(事務40代、事務50代、施工管理20代)
・営業電話やアポなしの飛び込み営業来訪に中断されないため仕事がはかどった。(役員60代、事務50代)
・施工準備期間、社内相手はほぼテレワークで行けると感じた。看板作成など意思疎通で一部外に出る必要もあるが、ツールややり方を整備すればできそう。(施工管理40代)
・書類をチェックするのに印刷する癖がついていてPCだと見にくかった。(事務40代、施工管理20代)
・2時間から半日程度で目標、タスクを決めて取組するのがいいと感じた、集中できる。(施工管理30代)


環境面
・現場事務所と同じ環境を家に用意できれば仕事は問題ない。(施工管理40代)
・各基準等は本で見たくなる。PDFもあるけどまだ慣れている紙のが楽。(施工管理40代)
・家では仕事部屋を設けているので昼休み以外は家族と接しないものの、なんとなく一日中母と社会人の2役をしている感じ。精神的に2倍働いている気がして非常に疲れる。子どもが高校生の私でそうなのだから、小さい子がいる人はもっと大変だと思う。(事務40代)
・事務机と椅子は大事だと思った。最初一日テレワークしただけて体が痛かった。(事務40代)
・子どもや家族の理解など家で仕事する環境を構築する必要がある。(役員60代)
・子どもがいる場合、自宅に鍵のかかる書斎があれば可能だがない場合は会社に来たくなると思う。技術者は監督1名なら現場を早めに立ち上げ、現場事務所で仕事すれば通勤は自動車のため人の接触を減らせる。(施工管理30代)
・最初は書斎でも掃除機の音や子どもたちの騒ぎ声が気になったが、Apple Airpods Proのノイズキャンセリングを使用したところ全く気にならなかった。しかもテレビ会議しやすくなり、好きな音楽を流しながら仕事できるのでおススメできる。(施工管理30代)


対社内
・近くにいる先輩に気軽に聞くことができなかったり、雑談がなくなるなど寂しさを感じた。(施工管理20代)
・テレワークできない人もいると思う、どこに何が書いてあるとかどこを調べればよいかわかるレベルでないと難しい。この工種が何かとか、これどうやるのとか全部人に聞かないとわからない人にチャットでは伝えられない。OJTで新人を育ててきたので今後どうしていくか課題。(施工管理40代)
・社内のワークフローが紙+はんこなので抜本的に変えないといけない。(事務40代)
・今回は残業がない想定だが、今後テレワークでの労務管理方法や規定を整備する必要がある。(役員60代)
・テレワークでも挨拶は大事だと思った。Teamsで始業時間にはおはようございますと言うとか。他の会社はどうしているか知りたい。(施工管理30代)
・会社でいま起きている出来事、出社組で話している内容が全く分からず、役に立てないことがあり疎外感を感じた。Teamsを普段からもっと使うといいかもしれない。(事務40代)


対社外
・協力会社に見積依頼するのに図面に手書きして送ることができず不便を感じてしまった。またそうしたやりとりを、大体は電子メールで送っているが相手によってはFAXのみの会社もある。(施工管理20代)
・捺印した紙の提出など社会の仕組みとして出社が必要になってしまうものは存在する。道路使用許可申請などをオンライン化してほしい。(事務40代、事務50代)
・電子証明書で入札しているのに契約はすべて紙で印鑑が必要。証明書なども紙のコピーを添付している。(事務50代)
・数十万円程度の工事でも、選任届、工程表その他こまごました書類が必要ですべて紙に捺印する必要がある。(事務50代)
・技術者と発注者は情報共有システムにより電子で仕事できた。下請の見積書や承認願いに添付するメーカーからのカタログなどを電子でもらうなどしないと、本社にスキャンする人間が必要になる。(施工管理40代、施工管理20代)
・当社側は現場事務所にインターネットとラップトップPCがあるので、発注者もビデオ会議を可能にしてほしい。(施工管理40代、施工管理20代)
・産廃マニフェストが電子化されていないと印刷が必要。処分会社・運搬会社、それぞれが電子化されていないとダメなので当社はOKだが、相手がNGな場合が多い。印刷には専用プリンタが必要で結局出社が必要となる。(事務40代)


まとめ
全般:デスクワークはテレワークで十分可能
環境:仕事用の個室や椅子が課題。ノイズキャンセリングヘッドセットはテレワークに良さそう。
社内:PCを使っていても印刷して紙で業務フローが回っていることが課題。申請、承認、決裁を完全電子化することが必要。また普段から口頭ベースのコミュニケーションに依存しているとリモート組が疎外感を感じたり、若手育成の観点からも課題となる。
社外:行政の各手続きでオンライン化されていない部分が多すぎる。また民間同士でも普段からインターネットでやり取りしていたほうが良い。

個人的には第2波に間に合うか微妙ですがPower Automateで社内申請系の完全電子化をしたいのと、Cisco Merakiのダッシュボードを触ってみてとても可能性を感じたので今後の使い方を掘り下げていきたいです。

今回の危機に尽力されているすべての方に敬意を表するとともに、一日も早い終息を願います。
この難局を乗り越えて、よりよい社会を作っていきましょう。
 

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