千曲川佐久市臼田地先 応急復旧工事進捗その12020.03.25
台風19号の被害により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
こちらは千曲川の佐久市臼田地先。台風19号で越水こそありませんでしたが、被害があり緊急対応をした現場で、現在その後の復旧工事を進めています。
ずらりと一列に並ぶ弁柄色の物体は何でしょうか。
答えは、根固めブロックの型枠です。コンクリートバケットなどを使わずに、生コンをプラントから運ぶミキサー車から直接打設できるよう、あらかじめレベルを下げて均しておきました。そのころ現場を見ても何をやっているのか謎な状態でしたが、こうして型枠が整然と並んだいまでは効率的に製作、養生でき、導線も安全に施工できる工夫が凝らされているのがよくわかります。
重さがひとつ5トン!あるので、現地にヤードを設け製作しており、これから必要箇所に並べていきます。また工事を始めて1カ月半ほどですが、もう350個あります。最初の1-2週間は手探りな面もありましたが、どんどん工程が洗練されていき、現在では70個/week 程度出来上がるそうです。
配置を待つブロックを見てもピンとこないかもしれませんが、模型で見るとわかりやすい。今後基礎工事をし、並べるのは5月頃になる予定です。
先日の被災で、佐久市臼田地区では千曲川は約1kmにわたって護岸工事が必要な状況です。
心配なのは年々と激しくなる台風や集中豪雨などの気候変動。
雨川、谷川など近隣河川ももちろんですが、世界に目を向ければ、台風19号の後もオーストラリアでの大規模森林火災から始まった今年、平均気温の上昇は私たちに何をもたらそうとしているのでしょうか。
温室効果ガスの排出削減が進まない中で、気象災害の増加に伴う被害だけでなく、水資源の枯渇や、食料事情の悪化まで引き起こされる未来がもうそこまで来ている気がしてなりません。
台風19号被災後の千曲川臼田地先
私たちは1999年8月の局地的な豪雨による雨川氾濫をはじめとする気候変動を、災害対応の最前線で実感したことを契機として保全事業への取り組みを開始しました。
20年が経ち河川・堤防整備といったハード対策やインフラの長寿命化に加え、さらに何ができるのかを考えています。
今後も近隣の他復旧工事現場含め、安全第一に工事を進めてまいります。