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木造超高断熱 木下建工新本社 上棟しました2020.07.16

木造超高断熱の新本社工事現場。
雨が続くので工程を入れ替えながら工事を進めています。今年の梅雨には皆さん悩まされているようで、換気工事は関東一円を飛び回られておられる業者さんなのですが、今週現場でお話ししたところどこに行っても雨なのでやはり工事調整に苦慮されているとおっしゃっていました。




先日7月9日大安に上棟式がありました。とはいえ新コロナもありますし、施主で施工会社なので簡単に土地神様へのご報告の意味合いだけですが。
今週には構造による現地検査も問題なく完了しています。

さて、前回の工事進捗アップ後、新本社の断熱についてご質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。今回の社屋、断熱については建もの燃費ナビというソフトを使ってシミュレーションし仕様検討しました。


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このソフトで計算していくと断熱沼にはまりそうです、予算があればあるだけ断熱したくなります(笑)
ともあれ、方位を南側に向け開口をコントロールすることの重要性を痛感します。一方で、いくら条件の良い敷地でも日射取得を阻害するような間取りにしてしまうと途端に数字で表れます。

同じ外皮性能、イニシャルコストが同じでもランニングそして快適性の差が生まれる。経験のある優れた設計者は感覚的にわかっていることですが、定量的に評価して設計を進めることができるのは非常に有効なツールです。

最終的な断熱仕様は以下の通りとなりました。(基礎については前回参照)
屋根付加断熱:ポリスチレンフォーム断熱材3種bA 165㎜
屋根充填断熱:吹込用グラスウール断熱材 35K 300㎜

壁付加断熱 :高性能グラスウール断熱材 16K 105㎜
壁充填断熱 :高性能グラスウール断熱材 20K 105㎜

当初の計画から充填はほぼ変更ないですが、付加断熱はフェノールフォーム保温板1種2号Cを屋根150㎜、壁100㎜という予定でした。

一日のうち12時間以上不在というオフィス用途ということ、オールトリプルガラス、太陽光発電19.2kW、電気自動車+V2Hシステム、ロスを極力低減した換気システム、その他まだ秘密ですが環境負荷低減+災害対策の仕組みを仕込んでおり、予算減額調整する中で目標の性能をクリアしつつ、イニシャルコスト最適化と経年での安全性を十分追求できたと思います。

登り梁が見えるのも今だけ


コスト最適化の話をすると、この断熱仕様で太陽光付ければランニングで元が取れるのですか?と聞かれますが、考えているのはそういうことではありません。

もはや深夜電力が安くなっても電気生炊きの蓄熱式暖房機をつける会社は無いと思います。
いま原油価格は低下していて、ランニングで取り戻す期間は伸びています。でも私たちが実現したい未来は何か?子どもたちに残したいのはどういう社会かということを考えて建てれば、情勢の変化で右往左往しないはずです。

なんとなく地球にやさしいとか環境にいいとかではなくて、数値で評価し適切に行動していかなくてはなりません。もちろんミッションという考え方の土台に立ち、数十年後どういう社会、地球を実現したいのかという意思がもとになる。




温暖化による海水温の上昇によって、毎年のように災害が引き起こされるようになりました。

光熱費が安くなるのは嬉しいですし、会社なので当然移転、本社機能集約による費用対効果の計算に含んでいますが、新本社建設にあたって自分たちのコストを下げることだけを考えているのではありません。

それを実際の建物で表現し伝えていくのが、災害復旧のため創業した私たちの、新本社に与えらえた役割です。




新本社横に復活した田んぼの稲は順調に育ってきました。
竣工より一足先に収穫時期を迎えそうです。



 

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