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パッシブハウス・ジャパン 東北支部勉強会2023.03.02

先週はパッシブハウス・ジャパン東北支部勉強会で全国の先進的な建築をつくられている方々が軽井沢、佐久に集まり、数々のパッシブハウス、エコハウスを見学するツアーがありました。木下建工ではNHQ1を案内し、低コストでカーボンニュートラルを実現した本社についての工夫を説明しました。

IPCC「1.5℃特別報告書」では、地球温暖化が現在のペースで進んだ場合、2030年から2052年の間に1.5℃に到達する可能性が高く、1.5℃に抑えるためには、世界の人為起源のCO2排出量を2030年までに約45%減少(2010年比)、2050年前後に正味ゼロにする必要があるとしています。その達成には、社会のあらゆる側面での前例のない移行が不可欠です。

もし1.5℃に抑制することができれば、持続可能な開発の達成や貧困の撲滅など、気候変動以外の世界的な目標とともに達成できる可能性もあります。


日本政府は、2030年に50%削減へ挑戦することを日本のNDC(国が決定する貢献)として宣言し、国連に提出していますが、ここ長野県は日本政府より野心的な2013年比60%削減を目標としています。

世界に目を向けると、カーボンニュートラルへの取組は「仕方なくやらなくてはならない」ことではなく、世界の新たな成長戦略と考えられており、各国がGX(グリーントランスフォーメーション)により、温室効果ガスの排出原因となっている化石燃料などから脱炭素ガスや太陽光・風力発電といった再生可能エネルギーに転換して、経済社会システム全体の変革を目指しています。


そのため世界的な成長企業も積極的に取り組んでいて、Appleは2030年までに製造サプライチェーンや製品ライフサイクルのすべてでカーボンニュートラルを実現すると表明しています。(2020年7月)
また世界的な半導体メーカーのTSMCは、巨大な半導体工場を熊本県菊陽町に建設中ですが、操業開始の2024年9月から、全電力を再生可能エネルギーで賄う予定です。そのために再エネが潤沢な九州電力管内であることも熊本県に決めた一因とされています。




そうした背景がある一方で非住宅建築には課題が多いです。2050 年には既築・新築平均でゼロカーボンを達成するのが目標ですが、2023年になろうとする現在時点でもそうでない内容で多くの施設が建てられ続けています。
言い訳ばかりせず、オフィス程度の負荷なら建物でマイナスエネルギー、OA機器類等すべて含んでもゼロ以下の建物を目指してほしいです。




近年の日本人は、簡単に実現できることを目標にしてしまいます。


難しくても、いや困難だからこそ挑戦しないと次のAppleのような企業は日本から生まれてこないと思います。東海道新幹線、トランジスタラジオ、CVCCエンジンなどを産み出した世代は人類の課題を世界に先駆けて解決し成功してきました。

黒部ダムを作った先輩たちは、目の前にやるべきことがあるのに諦めたでしょうか。




このまま負け続けるのか、それとも挑戦するのか。どちらのほうがいいプロジェクトや面白い人生になるのか、オーナーを焚きつけ、あるいは自分自身でやって、みんなで明るい未来を作っていきましょう。


 

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