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【スタッフから】Phantom 4 RTK + D-RTK 2 の導入その12020.03.03

先日、会社のパソコンとは思えないArienwareを紹介したばかりですが、3月のはじめまた何か箱が届きました。




DJIの産業用ドローン Phantom 4 RTK!(P4RTK)




見た目は従来のPhantom4シリーズ上部にユニットがついただけで、あまり変わらない見た目をしていますが、その中身は大きく異なります。




このでっぱった部分にRTKモジュールを搭載し、正確な位置決めにRTKマイクロ秒のクロック同期を行います。
さらにカメラレンズの中心点とアンテナの中心点のズレを補正するための、ドローン自身の飛行制御、および画像がより正確な位置情報を取得するよう時間誤差とカメラの位置情報を補正しているのです。

またP4RTKのカメラは1台ごと較正され、個体のレンズキャリブレーション情報が常に画像に書き込まれる仕組みが採用されています。写真に記録されているデータも高精度な位置情報が記録され、XMPデータとして出力が可能です。


送信機




産業用なので超高輝度モニターが採用されていて、輝度が高く屋外でも見やすいですね。
現在Phantom 4 PRO v2(P4Pv2)にはGS Pro が当初iPad のみの対応だったため、iPadを接続していますがモニタが見にくく難儀するときがあります。




この送信機、産業用機体として大容量バッテリーを搭載していますが、バッテリーは次に紹介するD-RTK2と共用できるのがうれしい。また内部に4GのSIMを搭載可能で、4Gを使ってのネットワーク型RTKに対応しています。(木下建工では当面利用予定なし)
測量はこのプロポにインストールされた専用アプリGS RTKを使い、もちろん自動航行可能です。


D-RTK2




P4RTKはD-RTK 2高精度GNSS移動局に対応しています。現場の見通せる場所に基準点(公共座標)があれば、主要なGNSS(全球測位衛星システム)である、GPS/GLONASS/Beidou/GALILEOからの信号をとらえ、ドローンへリアルタイムに補正データを送り、測位データを生成するリアルタイム微分補正が可能です。

ネットワーク型RTKと異なり、SIMカード(回線契約)や、GNSS補正情報配信サービスとの契約不要、座標を標高値で入力することによりジオイド高を考慮する必要がなく撮影画像に標高値を直接記録できるなどのメリットがあります。

はやく現場でテストしてみたいですね。


さて木下建工では昨年Phantom 3 Advanced が暴走したため引退させ、P4Pv2 のシングル運用になっていました。
今回測量専用機器を導入したことで、P4Pv2 は空撮用途に専念させることができます。こないだの台風19号でも道路が崩壊した現場の緊急確認や、実家から離れて暮らす方向けの情報提供に役立ちましたが、測量専用機を導入したことで短時間で崩壊した土量や倒壊した木の量なども産出することができ、さらに機動力が上がることでしょう。



P4RTK はバッテリーがP4Pv2 と共用できるのもうれしいポイントです。当面この組み合わせで運用することが、現時点の木下建工にとってはコストと性能のバランスで最適だろうと判断しました。


ドローンを用いた空中写真測量をするにあたり、よりどころとなる、国土交通省の「UAV を用いた公共測量マニュアル」では、「三次元点群の平面位置及び高さの要求精度を、誤差が最大でも0.05 m の値を超えないもの」と規定しています。

皆さんこの精度を出すために時間をかけ工夫していると思いますが、次回は現場にて撮影し、処理してX,Y方向に加え、Z方向についての精度と使用感をお伝えできればと思います。

 

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